フリーランス通訳者としての仕事の始め方・進め方・必要な道具など

通訳者としてキャリアをスタートするにあたって、どの順序でどんな道を歩むかは、多種多様です。通訳スクールから始め、企業内で仕事をスタートする人もいれば、通訳エージェントにいきなり登録をして、派遣などの仕事からスタートする人もいます。

意外にも、初仕事は、知り合いの紹介や個人で見つけた単発の仕事だったりするケースも多いです。アテンドや案内、接客が絡む通訳の経験も実績になるので、ここからスタートできるとキャリアアップにもつながることでしょう。

ここで、通訳者の仕事の進め方について簡単に説明します。

通訳会社に登録

初めからフリーランスで仕事開始する方はまず、ウェブサイトなどで通訳会社に登録しましょう!場合によっては、会社の本社・支社で行われる登録説明会へ行き、スキルチェックや面接の機会を求められることもあります。

一定のスキルがあるかどうかチェックされて初めて登録となる場合があるので、ある程度の経験やスキルをアピールできるようにしましょう。会社によって条件は異なるので、予め会社のホームページをチェックしましょう。通訳の求人情報は、The Japan Times や大手メディアで掲載され、ウェブサイトで採用情報をチェックできます。


新会社・ベンチャー会社に登録

通訳会社への登録はハードルが高いと感じる人、まとまって仕事がもらえるチャンスが少ない人は、新会社・ベンチャー会社に連絡をとることをおすすめします!

あえて小さめの会社で通訳業界に参入した会社を見つけ、登録する手もあります。登録者が少ない場合、新人でも仕事が回ってくる確率が高くなるでしょう。


周りに通訳していることをアピール

周りの人間に「通訳」していることを話しておくことも大事です。ひょんなことから、大イベントの通訳のお話が来た!ってこともあるので、色々なチャンスを掴みやすいと思っています。

筆者自身も、通訳を目指している頃にそのような話を周りにしたときに、知り合いからイベントの通訳を頼まれることがありました。身近な人ですぐにお願いできる人を探している会社や企業、地方自治体は多く、こういったコネクションの大切さも年頭に入れておきましょう。


準備する道具

通訳者にはそろえた方が良い道具が多く、実際に仕事を始める前には、これらをチェックする必要があります。通訳者が現場へ行く際、またはオンラインで通訳をする際に必要とする道具を紹介していきます。

  • 用語集
  • 関連資料
  • ノート、ペン(逐次通訳)
  • 電子辞書
  • 飲料水
  • のど飴 

場合によっては、パソコンをタブレット、イヤホンなど、現場によって異なる道具の準備もあります。

最近はタブレットを持ち歩く通訳者が増えて、資料の確認やオンライン辞書、メールの確認などを全てタブレットで行う人もいるようです!

のど飴はなんで?

声を使うので、喉にはケアが必要です。声が枯れては通訳はできません。

そのほか、現場では移動が多い場合もあるので、くつは歩きやすいもの、動きやすいものを用意しましょう。


仕事の準備と心得

通訳は実力主義の世界です。よって、本番で良い結果を残せないと意味がありません。翻訳者と違って、一旦戻って言葉を変えたりすることができないので、一発勝負です!そこで、本番に向けての「準備」がものすごく重要です。

通訳の準備とは?

  • 資料の読み込み
  • 内容の下調べ
  • 用語集の作成など

通訳者がしっかり内容を伝え、発信できるようになるには、「背景知識」が必要です。そのため、背景知識を得るための時間をかけなければ、いざ本番となったときに「何のことについて話しているのか分からない」といった状態が起きます。

予め資料をいただける場合は、資料の読み込みをし、分からない単語や固有名詞、表現、システム、仕組みなどを勉強しておく必要があります。それらを用語集にまとめ、日本語・外国語の両方を書き込んでおくと、本番で通訳する際に、それを事前に振り返ったり、相手側が話しておられる間にチェックできます。

現場での心得

通訳者が現場へ行く際は、立ち振る舞いやマナーも見られることがあるため、嫌な印象を与えないよう、これらに気をつける必要があります。清潔感のある身だしなみや、美しい言葉使い、話し方も年頭に入れておきましょう。社会性、人間性は思いのほか、細かくチェックされています!


通訳全般で気をつけること

現場、オンラインに関わらず、通訳者が押さえておきたいポイントがいくつかあります。

平常心を保とう!

内容が事前に分からない場合もあるので、どんな内容が来ても動じずに訳す努力をしましょう。

緊張しすぎないように!

早口になっていないかどうか気をつけましょう。相手にメッセージがきちんと伝わっているかどうかが大事なので、早口で相手に伝わっていなければもったいないです。

正確さを第一に考えよう!

さまざまな言葉の引き出しが出るとき、どの言葉が一番正確なのかと考えることが重要です。よく使われている言葉を乱用せず、文脈に沿った言葉を正確に引き出せるように心がけましょう。


通訳のお仕事の進め方、少しでもお分かりいただけたでしょうか。是非これらのことを年頭において、キャリアアップを目指しましょう!お互いに頑張りましょう!